「自由な働き方」「会社に縛られない働き方」など、近年ではフリーランスという働き方を目指す人が増えています。

クラウドソーシングサービスを提供しているランサーズ株式会社が発表した「新・フリーランス実態調査 2021-2022年版」から、2021年10月の時点でフリーランス人口はおよそ1,577万人、経済規模はおよそ9.2兆円増加していることがわかります。

コロナ流行前である2018年のフリーランス人口と比べて見ても、1.5倍も増加しているとされているのです。

フリーランス人口は今後も増え続けるのかな?この波に乗るべき?

「個」の時代が来ている”とされている今だけど、統計を元にフリーランスになるべきか否か、この記事でまとめられているよ!

こんな人に読んでほしい!
  • なぜフリーランスが増加しているのか気になる
  • 日本のフリーランスについて特徴を知りたい
  • フリーランスの将来性について知りたい

日本のフリーランス人口は増加しているのか

冒頭でも述べたとおり、結論としてはフリーランス人口が増加しています。そこでもう少し深掘りをして、 フリーランス全体の人口推移について解説していきます。

ランサーズ株式会社が発表した「フリーランス実態調査2021」から、フリーランス人口は下記のように推移していることがわかります。

出典:フリーランス実態調査2021

2020年、一時的に1,062万人まで減少したフリーランス人口ですが、2021年には1,670万人まで増加していることがわかります。 それに伴って、経済規模も増加しています。

「フリーランスは増加している」と言われていますが、実際のところデータからもフリーランス人口が増えているのが見てとれるでしょう。

とはいえフリーランス人口の数値は、日本の労働人口のおよそ24%にあたります。

全体的に見ると、フリーランス全体の人口はそこまで多くはないという印象です。しかし広義の意味では「フリーランスが増加している」とされており、これは後述しますが、フリーランスの定義が広いことが関係しているからです。

日本のフリーランスは2つに分類される

  • 独立系フリーランス
  • 副業系フリーランス

一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会が発行した「フリーランス白書2018」では、「広義のフリーランス」を大きく2つに分類しています。

「フリーランスが増加している」と言われていますが、日本においてフリーランスの定義が広いことから、このように言われているように思えます。

フリーランスのタイプ
出典:新・フリーランス実態調査 2021-2022年版

さらに細かくフリーランスをタイプ別に分類すると、上記画像のとおりです。

「広義のフリーランス」には、普段会社員として働いている人でも、過去1年以内に本業以外の副業収入が1円でもあった人も含まれています。そのため副業でフリーランス活動している人でも、「フリーランス」として統計に含まれていることを覚えておくといいでしょう。

独立系フリーランス

「独立系フリーランス」とは、 法人成りした個人事業主や一人経営者、開業届を出して活動している個人事業主、さらに主婦や学生などの「隙間ワーカー」が該当しています。

独立系フリーランスの特徴としては、企業や組織に属さず雇用関係を持たないことです

副業系フリーランス

「副業系フリーランス」とは、 会社に雇用されていながら個人で法人を立ち上げている経営者や請負契約を結んで案件を受注している人、そして2社以上に雇用されている人などが該当しています。

副業(複業)系ということもあり、複数の仕事や雇用が発生しています。そして副業系フリーランスは、基本的に主となる企業や組織に雇用されていることが特徴です。

また、2社以上に雇用される人を「パラレルワーカー」と呼ぶこともあるので覚えておくと良いでしょう。

日本とアメリカのフリーランス人口の比較

日本におけるフリーランス人口の数値は、2021年時点で1,670万人で労働人口のおよそ24%にあたります。一方で アメリカのフリーランス人口は、2020年時点で5,700万人で、これは労働人口の35%にあたります。

この数字だけを見ても、日本とアメリカとの働き方の違いが見て取れるのではないでしょうか。

しかし日本でもリモートワークの普及やフリーランス向けの求人が増えたことによって、今後もフリーランス人口は増加することが見込まれます。社会的にまだ「フリーランス」と言う働き方が普及していませんが、今後その重要性は高まると予想できるでしょう。

日本のフリーランス人口が増加している理由

それでは、ここ最近で日本のフリーランス人口が増加している理由についてまとめていきたいと思います。

考えられる理由としては下記のとおり。

  • IT人材の不足
  • 労働環境の変化
  • 政府による副業推進
  • フリーランス向け施設の充実
  • フリーランス向け求人の普及

それでは、それぞれ解説していきます。

IT人材の不足

今では、あらゆる業種にITが導入されています。それに伴い、IT人材の不足が起こっているのです。

経済産業省が発表した「IT人材需給に関する調査」では、 日本で続いているIT人材不足は、2030年までに最大で約79万人に拡大する可能性があると示されています。

IT人材が不足している影響もあり、プログラミング学習も盛んになっています。

プログラミングを習得しておくことでフリーランスとして活躍しやすくなるため、興味があれば学習してみても良いでしょう。

政府による副業推進

2018年1月に厚生労働省から「副業・兼業の促進に関するガイドライン」が策定されました。

多くの企業で副業が解禁され、これまで副業に取り組んでいなかった人でも政府の推進もあり、副業に取り組む人が増えている印象があります。

もちろん公務員など、法律によって副業ができない人もいますが、以前と比べて副業をすることが“当たり前”になったのではないかと思います。

これから副業に取り組もうと考えている人は、下記記事も参考にしてみてくださいね。

フリーランス向け施設の充実

リモートワークの機会が増えているため、働き方を多様化するためにコワーキングスペースなどの施設も増えています。

自宅では集中して作業に取り組めない、と言う人でも安心して作業ができるため、場所を問わず仕事ができるノマドフリーランスが増えるきっかけになっていると言えるでしょう。

また、コロナ禍もあり実際にオフィスに出社しなくても働けることが証明されたため、今後さらにフリーランス向け施設は増えることが予想されます。

フリーランス向け求人の普及

今ではフローランス向けの求人サイトも増えて、フリーランスが仕事獲得しやすくなったと言えます。

「クラウドワークス」や「ランサーズ」など、初心者でも案件獲得しやすいクラウドソーシングサービスも普及しているため、会社員からフリーランスに転向しやすいこともフリーランス増加の要因でしょう。

今後フリーランスの将来性はあるのか

結論として、今後もフリーランスの将来性は高いと言えます。

その理由として、今後ますます働き方が多様化することで、場所や時間を選ばずに仕事できる環境が整うことが予想できるからです。

また、フリーランスとして活動できるようなスキル習得サービスも増えています。

アメリカのようにフリーランス人口がそこまで多くない分、現状としては案件獲得のための競争を心配する必要もないでしょう。

終身雇用を前提とした働き方が崩壊している今、働き方の選択肢を見つめ直す良いきっかけではないでしょうか。