いいものを作るために、僕らが最初に聞くこと
何を作るかを決める前に、聞いておくべきことがある。COCTOが制作の最初にたずねる問いと、その理由について。
いいものを作るために、いちばん大事なのは、作り始める前の時間です。
何を作るか、どう作るか。 その話に入る前に、私たちが必ず聞くことがあります。
今日は、その「最初に聞くこと」について書きます。 これは、私たちがどう仕事をしているかの、いちばん芯の部分です。
「何のために作るのか」
最初に聞くのは、これです。
何のために、それを作るのか。
Webサイトがほしい、と言われたとき、いきなり作り始めることはしません。 まず、なぜそれが必要なのかを聞きます。
新しい客に知ってほしいのか。 既存の客に、深く伝えたいことがあるのか。 採用のためなのか。 それとも、なんとなく「必要そうだから」なのか。
目的が違えば、作るべきものは、まるで変わります。 同じ「Webサイト」という言葉でも、中身は別物になる。
だから、何を作るかの前に、何のためかを聞く。 ここがずれたまま進めると、立派なものができても、目的を果たせません。
「誰に届けたいのか」
次に聞くのは、届ける相手です。
誰に、それを見てほしいのか。
全員に向けたものは、結局、誰の心にも刺さりません。 八方美人なものは、印象に残らない。
一人の、具体的な相手を思い浮かべられるか。 その人は、何に困っていて、何を求めているのか。
届ける相手が定まると、言葉も、見せ方も、自然と決まっていきます。 逆に、ここが曖昧なままだと、あれもこれもと盛り込んで、ぼやけていく。
誰に届けたいか。 これは、作るものの輪郭を決める、大事な問いです。
「本当に、それが必要か」
そして、ときにはこう聞きます。
それは、本当に必要ですか。
依頼をいただいておいて、水を差すようですが、これは大事な問いです。
ほしいと言われた機能が、実は要らないことがあります。 作ろうとしていたものより、もっとシンプルな方法で、目的を果たせることがあります。
作らない、という選択肢も含めて、いちばんいい形を探す。 そのために、必要かどうかを、いったん立ち止まって問い直します。
これは、仕事を減らすための問いではありません。 本当に意味のあるものだけを作るための、問いです。
なぜ、作る前にこれを聞くのか
理由は、はっきりしています。
作り始めてからでは、方向を変えるのが難しいからです。
手を動かし始めると、それまでにかけた時間が惜しくなる。 途中で「そもそも目的が違った」と気づいても、引き返しにくくなります。
だから、いちばん時間をかけるべきは、作る前なんです。
何のために。 誰に。 本当に必要か。
この3つが定まっていれば、作る作業そのものは、迷いなく進みます。 逆に、ここが曖昧なまま速く作っても、後で作り直すことになる。
急がば回れ、とはよく言ったもので、最初の問いを飛ばさないことが、結局いちばんの近道です。
問いは、こちらだけのものではない
もう一つ、大事なことがあります。
この問いは、私たちが答えを持っているから聞くのではありません。
聞きながら、一緒に考えるために聞いています。
何のために作るのか。 その答えは、依頼してくださる方自身の中にあります。 でも、言葉になっていないことも多い。
問いを重ねるうちに、その方自身が「あ、本当はこれがやりたかったんだ」と気づく。 そういう瞬間が、いちばんいい仕事につながります。
だから、最初の問いは、尋問ではなく、対話です。 一緒に、作るべきものの輪郭を、見つけていく時間です。
COCTOがしていること
COCTOは、いきなり作り始める会社ではありません。
何のために、誰に、本当に必要か。 この3つを、最初に一緒に考えるところから始めます。
作る前の問いを、いちばん大切にしています。 そこが定まれば、あとは迷いなく、長く効くものを作れるからです。
とにかく早く形にしてほしい方には、他に合うやり方があります。 何を作るべきかから一緒に考えたい方は、一度お話しできればと思います。